2021年11月17日、日本で最も速い自転車ショップ店長を決めるロードレースが「アミノバイタル®全日本最速店長選手権 in Zwift」として開催された。圧倒的な力で優勝した遠藤健太店長、実力者で見事6位に食い込んだ岩島啓太店長の2人はどうZwiftを活用しているのか、どうやってコンディショニングしているのか。その秘密を聞いた。
text 大宅宏幸(サイクルスポーツ編集部) photo CYCLE SPORTS/佐藤正巳
レースに設定されたスプリントポイントとKOMともに総なめにし、他を寄せ付けないパワーで50歳未満の店長カテゴリーで優勝をさらったのは、CYCLE WORKS Fin’s(サイクルワークスフィンズ)の遠藤健太店長だった。
もともと強力なZwiftレーサーとして知られていた遠藤店長だが、普段どのようにZwiftを活用しているのか?
「Zwiftには、もうほぼ毎日といっていいほど乗っています」と遠藤店長。
「これが練習の6〜7割を占めています。私の住んでいる新潟県は特に冬場に天候が良くないので、インドアで行えるZwiftは最適な練習法だと思います。
主に行っている内容としては、毎日のようにZwift上でのレースに出たり、インターバルをかけた練習をすることです。これはものすごくいい練習方法なんです。レース本番を想定した練習ができるからです」。
「リアルレースは数も限られているし、実走で本番さながらな負荷をかけた練習をするのは結構難しいです。ですが、Zwiftならそれができます。本番を想定した負荷をかけられるのが最大のメリットだと考えています。
また、リアルレースだと失敗する可能性もあるので単独でアタックはあまりしませんが、それがバーチャルレースならすぐ次のレースが開催されるというチャンスがありますから、何度でも果敢に単独アタックできます。果敢に挑戦する力が磨けると言いましょうか。そうしたリアルとバーチャルをかけ合わせた練習も行っています」。
そんな遠藤店長だが、一方でコンディショニングには気を使っているのだろうか?
「かなり注意を払っていますね。
まずは徹底したスケジュール管理です。朝は必ず4時〜5時に起きて、そこから30分刻みくらいで何を実施するか細かに行動を決めて、それを実行しています。
次に食事です。これには相当気を遣っています。オフシーズン以外は徹底して揚げ物とかラーメンなど、油ものは食べないようにしています。とはいえ油分は摂らないといけませんので、オリーブオイルのみ料理に使っています。
たんぱく質としては、魚をメインに食べています。魚が持つEPAやDHAの成分に最近は注目していて、実際魚をメインにするようになってから、インターバル時の回復力の高まりを感じています。
と、このように食事は中身と質ともにこだわっていますね」。
スポーツサプリメントは使っている?
「はい、いろいろなジャンルのものを使っています。特に、トレーニング後はすぐにアミノ酸系のものを摂るよう心がけていますね」。
「今年(2021年)4月に開催された全日本最速店長選手権(リアル版)では4位に入りましたが、大会前後ではアミノバイタル®プロとアミノバイタル®GOLDを使っていました。今回のZwift版での選手権でも、使っていましたよ」。
続いてカテゴリー6位に食い込んだベテラン、岩島啓太店長について。岩島店長は過去2回リアルレース版の最速店長を獲得し、「ツール・ド・おきなわ市民210km」優勝、「ジャパンカップオープン」優勝など、国内アマチュアレースの最高峰タイトルを獲得してきた実績がある。
“レース本番で強い”というイメージのある岩島店長だが、バーチャルサイクリングの分野となる今回でもきっちりと上位に食い込んできた。そんな彼のZwift活用法とは?
「Zwiftはゲームとしての側面もあるので、やはり普段からやり込んでいる遠藤店長は強かったですね……。
さて、私の場合は実走とZwiftを組み合わせています。Zwiftをプレイする頻度としては、レース前に集中してトレーニングを行いたい時期は毎日のようにプレイする、といったところです」。
「Zwiftのメリットはやはりすぐ乗り出せること、そして時間効率の良いことがありますね。常にインドアトレーナーにそれ用のロードバイクをセットしておいて、いつでもすぐプレイできるように環境を整えています。交通状況や地形にも左右されないので、脚を止めることなくトレーニングできます。
ワークアウトも使うことはありますが、レース機能を最も活用しています。レースが好きだからということもあります。現実のレースではないんだけれども、それに近い負荷のかけ方ができるし、相手がいるのでより集中してトレーニングができると感じています」。
それに対して、実走ではどういう走りをするのか?
「実走では坂道で反復インターバルをするようにしています。ダンシングなど、実走しておかないと磨かれない技術もありますから、その感覚を取り戻せるように、という目的です。Zwiftだけでなく、実走もこうやって組み合わせることで、より効率よくトレーニングできると思います」。
一方で、コンディショニングについてはどのように取り組んでいるのか。
「40歳を超えて疲労の回復が遅くなってきていると感じているので、第一にしっかりと休むことを心がけています。きついトレーニングをした翌日は軽い通勤ライドだけにするとか、休息も含めてトレーニングのスケジュールを組んでいます。
気分が乗らないときはトレーニングをやめる日もありますよ。集中できないなら結局効果が薄くなってしまいますから。そういうときは別のことをやって気分転換するなど工夫しています。
次に気をつけているのは食事です。これは自分流のやり方ですが、体だけでなく胃腸も休ませる必要があると考えているので、できるだけ空腹時間を長く取るよう工夫しています。例えば、夜8時に食事をしたとして、翌日朝は朝食を摂らず、昼の12時頃までできるだけ何も食べないようにしています。
自分はむしろ胃腸はすごく強い方なんですが、年齢を重ねて無理をしてきた面があると自覚しているので、しっかりと胃腸も休ませようと考えているんです。目標は生涯現役自転車選手なので、寿命をまっとうするギリギリまで選手を続けられるよう、内臓を含めて体はいたわっています」。
スポーツサプリメントは使っている?
「はい、食事の点と絡みますが、使っています。プロテイン系は飲まないようにしているのですが、アミノ酸系のサプリメントだけは摂っています。注意しているのは、トレーニング後30分以内に速やかに摂ることですね。
レースが近いときなど、すごく気合を入れているときはトレーニング前にも撮ります。このときは、アミノバイタル®GOLDを飲むことが多いです。飲みやすいので、アミノ酸を気軽に摂りたい人には向いていると思います」。
「一般のサイクリストの皆さんに気をつけてほしいのは、インドアサイクリングだからといって補給をおろそかにしてはいけない、といことです。風が当たらないぶん体に熱がたまりやすかったり、汗をかきやすい状況になりますから、水分を含めた補給には注意しましょう。ドリンクにサプリメントを混ぜて飲むのもいいかもしれませんね」。
アミノバイタル®プロ
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遠藤店長と岩島店長に共通するのは、うまくZwiftを活用してトレーニングしていること、そしてコンディショニングにかなり注意を払っていることだった。ぜひ参考にしてみてほしい。
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